UDCKタウンマネジメントと三井不動産は9月21日、柏の葉キャンパス駅周辺にエッジAIカメラを導入し、住民の安心安全かつ快適な暮らしを提供する、新たなエリアマネジメント活動を開始すると発表した。同カメラは、クリューシステムズが提供し、ニューラルポケットのAI画像解析技術を活用するとのことだ。
柏の葉スマートシティの人口は現在までに1万人を超えており、今もなお発展を続けていることから、人口が増えて街の規模が大きくなるにつれて駅前の混雑緩和や防犯、見守りに対する地域住民からの需要が高まっている。
そこで同取り組みでは、屋外公共空間にAIカメラを設置して、リアルタイム画像分析により通行人の異常行動や立ち入りの検知、ならびに人流分析を行う予定だ。取り組みの中で得られたデータを活用することで、柏の葉スマートシティにおける安心・安全・快適な暮らしへ役立てていくという。
具体的な取り組みの一つとして、アクアテラス(貯水池)エリアにおける立ち入り検知を実施する。雨天に伴うアクアテラスの増水時や、夜間の立ち入り禁止帯などにおける人の立ち入りをAIカメラにより検知して、立ち入りを検知した場合は、柏の葉キャンパス駅周辺街区を管理する警備員へ自動でメールを送信する。これにより、現場確認までの時間のロスを削減する。
また、柏の葉キャンパス駅の西口および東口周辺エリアにおいて、倒れる、うずくまるなどの通行人の異常行動や凶器の所持をAiカメラにより検知する。異常行動や凶器を検知した場合にも同様に、柏の葉キャンパス駅周辺街区を管理する警備員へ自動でメールが送信される。
さらに、柏の葉キャンパス駅周辺およびアクアテラス周辺の人の流れを分析し、分析データをイベント企画や街づくり検討などでも活用する予定だ。AIカメラで取得した人流データを含む街のデータは、業種や業界を横断してデータの連携を可能とするプラットフォーム「Dot to Dot」を利用し、データ利用者へ連携することも検討しているという。大学や研究機関、事業者と街のデータを連携することで、街づくりに寄与する研究や新たなサービスの創出などが期待できるとのことだ。
今回導入するエッジAIカメラは、内蔵されたAIで画像の分析を行い分析結果をサーバへ送信することで、処理スピードの向上や画像の漏洩リスクを低減する。撮影された画像はカメラに搭載したAIによって即時分析、即時破棄される。分析データは特定の個人を識別できないデータに加工し、個人のプライバシーを侵害するようなデータの取得や保管はしない。
AIカメラによるリアルタイムかつ多様な画像分析から、分析結果に基づくアクションまでを新たなエリアマネジメント機能として実装する予定だ。29台のカメラは、柏の葉キャンパス駅周辺に25台、調整池のアクアテラスに4台設置する。また、AI解析によって事象を検知した際にはカメラ位置情報と検知内容がテキストでメール送信され、撮影画像データは転送されないとのこと。