Synspective(シンスペクティブ)は9月16日、同社の合成開口レーダー(SAR)を搭載した小型衛星の商用試作1号機(通算3機目)となる「StriX-1」を、小型衛星向けのライドシェア型打ち上げ・展開ソリューションを提供する独・Exolaunch社の「Soyuz-2(ソユーズ-2)ロケット」により、ロシアのボストチヌイ宇宙基地から2022年中旬に打ち上げる契約を締結したことを発表した。

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    複数の小型SAR衛星StriXシリーズが衛星軌道上で周回するイメージ。2トン級の従来のSAR衛星に対し、100kg級という、1/10以下の小型軽量が特徴。合成開口レーダー(SAR)は天候に左右されず、また日夜問わず撮影することが可能。そのため、雨季が多く雲がかかることの多いアジア圏でのSAR衛星の需要は高まっているという (出所:シンスペクティブ・プレスキット)

シンスペクティブは、実証衛星2号機「StriX-β」の打ち上げもExolaunch社と契約を締結しており、同様にソユーズ-2ロケットを用いて、ロシアのボストチヌイ宇宙基地にて、2021年内に打ち上げられる予定だという。

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    ソユーズ2ロケット。別名ソユーズ-Mなどとも呼ばれる。全長46.3m、最大径10.3m。画像は、ギアナ宇宙センターから打ち上げられたソユーズ2の様子(2014年のもの)。近年はロシア国外でも打ち上げられるようになった (出所:ロスコスモスWebサイト)

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    ボストチヌイ宇宙基地のローンチサイトの打ち上げの様子。同基地はロシア初の民間宇宙基地で、2016年に初打ち上げに成功したばかりのロシアで最も新しい宇宙基地でもある (出所:ロスコスモスWebサイト)

ボストチヌイ宇宙基地は、ロシアが極東のアムール州のスヴォボードヌイ近郊の使われなくなったミサイル基地「スヴォボードヌイ18」をベースに建設した民間宇宙基地だ。バイコヌール宇宙基地はカザフスタンから借用して利用しているため、ロシア自身が所有する基地が求められたことから建設された基地で、ロケットの初打ち上げは2016年4月28日である。

なお、シンスペクティブでは今後、2023年までにさらに小型SAR衛星StriXシリーズ3機を打ち上げ、合計6機体制とする計画である。これにより、世界のどの地域においても24時間以内に観測することが可能になる。さらに、2020年代後半には30機体制による本格的な衛星コンステレーションを構築し、世界のどの地域においても2時間以内に観測を実現する予定だとしている。