東芝は9月17日、複数の自律型移動ロボットの相互回避や協調搬送を可能にする協調連携システムを開発したと発表した。移動ロボット間で直接通信するプロトコルを定め、ロボット間の通信経路を切替えることで直接通信をより低遅延で実現するという無線LANマルチホップ方式で実装し、移動ロボット同士が直接リアルタイムで情報を交換することを可能にした。
昨今のコロナ禍における自動化の需要増加に伴い、移動ロボットは、製造・物流現場での搬送に加え、公共施設内の清掃・警備・搬送など、さまざまな用途での活用が進んでいる。IDC JAPAN、QYResearchの調査によると、移動ロボットの市場規模は、国内では2023年に561億円、海外では2025年に7.36億ドル、年平均成長率はそれぞれ23.7%、15.9%と見込まれている。
東芝が今回開発した同システムは、運行システムが異なる移動ロボット同士の相互回避を実現する。現状の移動ロボットは、停止している障害物であれば回避できるが、互いに走行中の移動ロボットは、進行方向が分からず回避が難しいという。
また、1つの搬送物を複数台の同種の移動ロボットがタイミングを合わせながら運搬することも可能。必要に応じてロボットを追加することで、さまざまなサイズ・重量の積載物に対応することができる。