熊谷組、立命館大学、東京工業大学、東京工業高等専門学校らの研究グループは9月16日、スマートデバイスを用いて、建設機械の遠隔操作者の心理的負荷や操作技能を定量的に測定できる計測モデルを考案したことを発表した。この成果は同日、国際学術誌「JMIR mHealth and uHealth」に掲載された。
建設業界では、VR技術を用いて運転席から見た映像と機械の振動を同期させて遠隔操作する工法が注目されているが、作業環境における周囲の状況把握が難しいため操作時の心理負担が大きく、操作者に配慮した操作システムの開発が不可欠だという。
研究グループでは、スマートデバイスを用いて、操作者の心拍変動(HRV)やマルチスケール・エントロピー(MSE)などを測定した。これらの指標は自律神経調節を定量的に示すものであり、業務においてのストレスを評価する有用な手段になるという。
この研究成果では、操作ストレスを考慮し、身体振動を許容範囲内に抑えることで、適切な運転時間を算出する手法を新開発した。これまで未解明であった心理的負荷と身体振動の関係に着目し、これらを対象とした建設機械の走行時間との関係を明らかにした。