米Microsoftは9月16日(現地時間)、永続的ライセンスの法人向けOfficeクライアント「Office LTSC 2021」の一般提供(GA)を開始した。

Office LTSC Professional Plus 2021は、「Access」「Excel」「OneNote」「Outlook」「PowerPoint」「Publisher」「Skype for Business」「Teams」「Word」などを含む。

LTSCはLong Term Servicing Channelの略だ。同社はクラウドを新たな働き方の原動力にする戦略に従って製品を展開しており、Officeもサブスクリプション形式のMicrosoft 365/ Office 365にシフトしている。しかしながら、機密保持のためにインターネットから切り離されているデバイスやインターネットに接続できない製造現場のデバイスなど、クラウド形式のサービスを利用できないケースもある。Office LTSCは、そうしたMicrosoft 365を利用できない特定の用途に対応する製品として開発された。クラウドにアクセスするのはMAK (Multiple Activation Key)アクティベーション時のみ。アクティベーション後はインターネットに接続せずに利用できる。

Office LTSC 2021では、リアルタイム・コラボレーションやAIによる自動化、コンプライアンス機能など、Microsoft 365が備えるクラウド・ベースの機能は利用できない。Officeアプリとアップデートプロセスが異なるTeamsクライアントには機能アップデートが提供されるが、他のアプリに新機能は追加されない。長期の固定運用を想定した設計になっている。

Office LTSC 2021のメジャーバージョンは、ボリュームライセンス版のOffice 2019と同じバージョン16.0。64-bit版と32-bit版が用意されており、Windows 10およびWindows 11で動作するデバイスが対応する。macOS向けの「Office LTSC Standard for Mac 2021」ではAccessとPublisherは利用できない。