リコー、リコージャパン、育て上げネットは9月16日、デジタル社会の情報格差により就労に困難を抱える若者たちの支援を行う「若者向けデジタル支援プログラム」を10月12日から開始すると発表した。
同プログラムでは、育て上げネットが募集した若者に対して、リコーグループ社員がデジタルイノベーションで変化するワークプレイスを紹介するほか、画像制作案件における受注から納品までの業務を疑似的に体験できるデジタル技術を活用したスキルトレーニングを提供する。
育て上げネットは、さまざまな理由から無業の状態にある若者の就労支援を行う認定NPO法人である。行政や企業と連携して、すべての若者が社会的所属を獲得し、「働く」と「働き続ける」を実現できる社会を目指す。
同法人が支援している若者は、コミュニケーション力や体力、臨機応変な対応力が求められる業種よりも、集中力や忍耐力、専門的な知識を要する情報通信業を選択することが多いことから、ITスキルに特化した訓練コースの運営などの就労支援プログラムを強化しているという。
リコーグループは良き企業市民として、国または地域の文化や習慣を尊重して、志を同じくする人々とのパートナーシップのもとで、会社と社員が協力し合い、地球と社会の持続的発展に貢献するという社会貢献の方針に基づき、働く人たちのインクルージョンを重視し、ステークホルダーと連携した活動を進めている。
創業100周年となる同社の2036年のビジョンに「“はたらく”に歓びを」を掲げる同グループは、働くことに困難を抱える人の支援を行うことで、より多くの人のはたらく歓びを支えたいとしている。
デジタル社会が進展する中、若者世代では情報格差が起きており、社会問題となっている。「令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、青少年のインターネット利用率に関してスマートフォンが70.1%と高い数値である一方、ノートPCが22.4%、デスクトップPCは8.4%と低い結果となっている。
経済的に厳しい家庭ほどPCの利用率が低くPCを使用する機会が少ないことが情報格差にもつながっており、PCの設定方法が分からない、キーボードを使って資料を作成したことがない若者にとっては、デジタル化の進展が就労へのハードルが上がる要因となっていることもある。そこで三者は、デジタル技術に触れる機会を提供することで、デジタルを使った働き方に対するイメージの醸成や自信の向上を目指して、同プログラムの提供に至ったとのことだ。