空調制御、計測機器の大手メーカーでビルや工場、プラントシステムのオートメーション事業を手掛けるアズビルと関西電力は、AIを活用した次世代の火力発電設備異常検知システムの共同開発に基本合意したことを15日に発表した。2021年年度中に構築、2022年度よりのサービス提供を目指す。
システムは大量のAI技術者の確保、未知の異常に対する対応など現在抱えるシステムの課題解決を狙うもので、広域監視アルゴリズムによる異常の抽出と重点監視のためのAIモデルを自動生成させる。開発はアズビルの異常予兆検知システム「BiG EYES」をベースに関西電力の長年の発電所運転・維持管理業務と異常検知ツール運用ノウハウとアズビルのAI開発と運用技術を組み合わせて進められる。運用開始後のメンテンスまでトータルで運用できるものを想定しており、従来は労働力の問題から監視対象から外れていた設備も監視できるようになるなど、火力発電設備の運転、設備管理の質の向上が期待される。
アズビルの「BiG EYES」は、製造業に特化した異常予兆検知システムで24時間365日オンラインで対象をモニタリングし、異常を予兆の段階で検知、報告するソリューション。同社によれば、すでに全国で3,000をこえる監視モデルが稼働中だという。両社は今後、開発を2021年度中に完了させ、2022年度より関西電力の火力発電所の計画、建設、運用をサポートするサービス「k-VaCS(ケイバックス)」のラインナップの一つとして提供を行う予定。