ルネサス エレクトロニクスは、同社の32ビットマイコンRXファミリとして、機器の高性能化と省電力化を両立し、非接触操作を実現するHMI機能を搭載した「RX671」を発売したことを発表した。

  • RX671

    RX671のパッケージ外観

同製品はRX600シリーズのメインストリームに位置づけられるもので、120MHz動作のRXv3コアと60MHzの高速読み出しが可能なフラッシュメモリを搭載することにより、最大で707CoreMarkのリアルタイム性能を実現すると同時に、48.8CoreMark/mAの電力効率を実現するという。

また、多様な用途に使用できるよう、48~145ピンパッケージを用意し、いずれのパッケージにも2MBのフラッシュメモリと384KBのSRAM搭載品をラインアップ。さらに、長距離での音声認識に長けるデジタルマイク接続用のシリアルサウンドインタフェースも搭載し、市場実績のあるパートナ企業の音声認識ミドルウェアと組み合わせることにより、音声認識での非接触操作機能を早期に開発可能だとするほか、セキュリティエンジンとしてトラステッドセキュアIPを搭載しており、AES、RSA、ECC、SHA、TRNGなどの暗号処理や、鍵の管理も可能だとしている。

このほか、評価用ボードとして、デバッガ不要で手軽にRX671を評価できる「Target Board for RX671」と、主要機能の詳細評価に適した「Renesas Starter Kit+ for RX671」の2種類を用意。いずれもPmodコネクタを備えているため、ルネサスのWi-Fi Pmod拡張ボード「RTK00WFMX0B00000BE」を接続することで、無線ネットワーク接続の評価を容易に行うことが可能だという。

なお、64ピン、100ピン、144ピンLFQFPパッケージ品はすでに量産が開始されているほか、48ピンHWQFN、64ピンTFBGA、100ピンTFLGA、145ピンTFLGAパッケージ品については2022年第1四半期に発売と量産をそれぞれ予定。参考価格としては、64ピンLFQFPパッケージで2MBフラッシュメモリ搭載品「R5F5671EDDFM#30」の場合、1万個一括購入時で4.94ドル(税別)だとしている。

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    ルネサスRXファミリのポートフォリオの概要