コマツは9月13日、鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS:Autonomous Haulage System)上で、自動走行と自動散水が可能な大型オフロードダンプトラックHD785-7をベースとした無人散水車を開発したことを発表した。
HD785-7に散水装置メーカー製の散水システムを制御可能なインターフェースと、AHS上に新たに散水制御プログラムを組み込むことで、運搬用無人ダンプトラックと無人散水車の同時制御が可能になったとのことだ。
鉱山の生産活動の現場では、周辺環境へ影響を与え現場の視界を妨げる粉塵が発生するため、運搬用のダンプトラックや積込機の他に、ダンプトラックをベースとした散水車が走行路での散水を行うことで粉塵量を管理している。
有人散水車では運転手が走行と散水制御を同時に操作する必要があることから、運転ミスによる事故が発生しやすい点が課題だ。さらに、散水量や散水箇所も運転手の判断に委ねられているため、同一地点に繰り返し散水されてしまうことが運搬用ダンプトラックのスリップ事故の原因となっている。
一方、無人散水車はAHSの従来機能によって、走行経路に沿った安全な自動運行が可能である。また、走行車速や走行コースに応じた最適な散水量の制御や散水履歴管理などを計画的に行うことで、スリップ事故の原因となる過剰な散水も防止可能となる。
加えて同社は、最適な自動運転制御や鉱山内の他の無人ダンプトラックや走行路上の有人車両との協調制御を実現することで、鉱山オペレーション全体の安全性と生産性を向上するとしている。なお、今回開発した無人散水車は2022年の市場導入を目指す。