SEMI Taiwanは9月初頭、新型コロナの感染拡大を受けて9月8-10日の開催予定を12月28-30日に延期した「SEMICON Taiwan 2021」に代わるオンラインイベントを開催。同イベントに登壇したTSMCのR&D担当シニアディレクターであるDuan Xiaoqin氏が、「TSMCは化合物半導体としてGaNに注力している」と述べたと台湾メディアが報じている。
それによると、TSMCはGaN開発は、10年後を見据えて、「高速充電」、「データセンター」、「太陽光発電コンバーター」、「48V DC/DC」、「電気自動車用OBC(オンボードチャージャー)/コンバーター」の5つの分野に注力しており、今後はより多くのアプリケーションへの適用が見込まれるという。
TSMCは、電力およびRFコンポーネントの要件に対応するために、GaN-on-Siliconテクノロジーを開発し、エピタキシャルファウンドリは、6インチのGaN-on-Siliconウェハ製造技術も開発してきた。また、STMicroelectronicsは2020年2月、GaNを用いたパワー半導体製品の安定供給に向けて、TSMCと協力していくことを発表しており、TSMCがST向けにディスクリート製品に続いてGaN ICの供給も始めることになっている。
なお、日本でもGaN製造の動きが活発化してきており、米GaNovation(米国の中国系ベンチャーキャピタルJCP Capitalと米Transformの合弁)が所有するAFSW(元の会津富士通セミコンダクターウェハーソリューション、2021年8月1日付で事業譲渡)が、スマートフォンやPC向けの小型急速充電器向けGaNパワー半導体の製造に注力する動きを見せている。