半導体製造用材料市場調査企業TECHCETは、2021年の半導体材料市場について、前年比12%増の570億ドルに達するとの予測を発表した。
また、材料によって前年比8%~30%増とばらつきがあるものの、2025年までの年平均成長率は少なくとも5.3%と予測されるとしている。
半導体材料のうち、最も成長率が高い分野は、シリコンウェハ、製造装置コンポーネント(消耗部材)、プリカーサ、洗浄用薬液、CMP材料、およびフォトレジストである。ウェハと化学物質の平均販売価格は、需給の緊張が高まる可能性があるため、さらに押し上げられる可能性があるという。
TECHCETの社長兼CEOであるLita Shon-Roy氏は、「半導体需要が急増しており、半導体材料のサプライチェーンはフル稼働状態で納期が伸びがちである。製造装置の消耗部材分野は特に大きな影響を受けている。石英、炭化ケイ素、およびセラミックのリードタイムは、9か月かそれ以上となっている。シリコンウェハは、特に2022年の後半に向かうにつれて供給不足が発生すると予想される。いくつかの材料分野では、生産能力が増加し始めており、これによって需給ひっ迫は幾分緩和され、2022年の販売数量と売上高が押し上げられそうである」としている。現在の予測では2022年は強気であり、サプライチェーンが需要の緩和に適応するにつれて成長が鈍化していきそうである。2024年半ばまでに、新規半導体ファブの増加が続くと予想されるため、それを受けて、半導体材料市場は新たな成長の波が生まれそうである。