キヤノンは9月9日、カナダの半導体メーカーであるレドレン・テクノロジーズの株式を取得し、完全子会社化することに合意したと発表した。キヤノンは2021年からの新5カ年経営計画で、主要グループの一つである「メディカルグループ」の事業競争力強化を図っている。
レドレン社は、医療用画像診断機器やセキュリティ検査装置に用いられる、Cadmium Zinc Telluride(テルル化亜鉛カドミウム、以下「CZT」)半導体検出器モジュールの開発・製造において世界トップクラスの技術を有している。
この技術を、次世代型のコンピュータ断層撮影装置(以下、CT)として注目されるPhoton Counting CT(以下、PCCT)に用いることで、体内の特定の物質の鮮明な画像化が可能になると見込まれている。
今回のレドレン社の連結子会社化により、キヤノンはPCCTの開発に重要な役割を果たすCZT半導体検出器モジュールにおける先進技術を有することになる。
これにより、キヤノンメディカルシステムズを中心に市場競争力のあるシステムとしてのPCCTの開発を加速させ、CTをはじめとするシステム事業の強化を目指す。同時に、CZT半導体検出器モジュールを全世界の医療用機器メーカーに供給できることになり、メディカル分野におけるキヤノンのコンポーネント事業の強化が実現するとしている。