日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、コーディング不要のセンサレス70WブラシレスDC(BLDC)モータドライバ「MCF8316A」ならびに「MCT8136A」を発表した。
2製品ともに、能動的にモータを減速させ、バス電圧のサージを防止するための高速なリアルタイム制御が提供されることで、モータの停止速度は従来制御方法比で50%高速化されるとしているほか、リアルタイム制御とパワーMOSFETなどのディスクリート部品を最大18個統合したとしており、これにより基板面積はディスクリートを実装する場合に比べて、周辺部品も10点ほどと少なくできるため、基板サイズを最大70%小型化することも可能となるとしている。
また、センサレスのフィールド・オリエンテッド・コントロール(FOC)モータドライバ「MCF8316A」は、モータパラメータを自動抽出することで製造におけるバラつきをなくし、一貫した性能を提供することを可能とするほか、電流ループの自動調整により、モータのチューニングを迅速に行うことを可能としているという。さらに、精密な自動デッドタイム補償により、ノイズを最大2dBA低減させることを可能とするとしている。
一方の「MCT8136A」は、センサレスの矩形波制御モータドライバで、モータのチューニングを5ピンだけで行えるため、マイコンインタフェースを不要とすることができ、設計時間の短縮を図ることが可能となるとしているほか、最大3.5kHzのモータ回転速度を実現しており、ロボット掃除機のような高速リアルタイム制御アプリケーションにも対応するとしているほか、高度な制御手法を活用することで、静音性能の最適化の容易化も果たすことができるようになるとしている。
なお、2製品ともにすでに40ピン、5mm×7mm QFNパッケージにて量産前製造を開始しており、同社のWebサイトより、1000個受注時の単価1.75ドルで入手可能な状態となっているという。