米ペイパルホールディングス(ペイパル)は9月7日(現地時間)、後払い決済(BNPL:Buy Now Pay Later)サービス「ペイディ」を提供しているPaidyを3000億円(約27億米ドル)で買収すると発表した。ペイパルは、今回の買収により越境EC事業に加えて、国内決済市場で機能やサービスを拡充する方針だ。
「Buy Now, Pay Later」は、文字通り「今買って、後で支払う」というものであり、ECを中心に活用される新たな販売信用の形態である。昨今、欧米先進国を中心に後払いの決済手段が拡大しており、米金融企業・FISが提供する「2021 Global Payments Report」の調査によると、2020年時点で全世界での同市場規模は約966億ドル(約10兆6000億円)に達しているという。
Paidyが提供する後払いサービス「ペイディ」は、消費者がオンラインで商品を購入し、手数料なしで利用金額を翌月にまとめてコンビニエンスストアや銀行振込などで支払うことが可能なサービス。現在、アカウント数は600万を超え国内最大規模となる。
また同社は、分割で後払いができる「3回後払い」や、ペイパルを含むその他のデジタルウォレットやQR決済との連携を実現する「どこでもペイディ」を提供しており、自社のプラットフォームを超えてオンラインおよび実店舗で利用できる加盟店を拡大している。
Paidy 代表取締役会長のラッセル・カマー氏は、「ペイパルとともに、『お買いものにめんどくさいはいらない』という当社のミッションをさらに推し進めることができると確信している」とコメントしている。
同買収は2021年第4四半期に完了する予定。2022年のnon-GAAP(ノンギャープ)の1株当たり利益に対してわずかな希薄化効果をもたらすと予測されるとしている。