明治は9月7日、倉敷工場(岡山県)で製造している粉末プロテイン ザバスについて、埼玉県にある倉庫までの物流経路のうち約770km部分を、鉄道輸送に切り替えるモーダルシフトを開始すると発表した。同取り組みは、9月27日より実施する。

  • モーダルシフト化の概要図

同社グループは2021年3月に、長期環境ビジョンとして「Meiji Green Engagement for 2050」を制定した。地球環境への影響軽減を目指して、地球の平均気温上昇を1.5度に抑えるパリ協定の努力目標にチャレンジしており、2050年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」の達成を目指すという。

物流業界において、特にトラックによる物流では、輸送や配送における待機時間の長期化などの理由から、運転手の労働時間は他の産業と比べて約2割程度長いとされる。また、運転手の平均年齢も他産業と比較して5.7歳高く、高齢化が進展していることから、物流における効率化の取り組みは社会的な課題でもある。

こうした中で、国は2019年4月から、荷主企業と物流事業者が相互に協力して物流改善を図ることを目的に「ホワイト物流推進運動」を実施している。同社もこの運動に参画しており、モーダルシフトの推進だけでなく、待機時間の削減や付帯作業の軽減などに取り組み、トラック輸送の生産性向上や効率化に貢献しているとのことだ。

同社は今回の取り組みによって、CO2排出量を、削減率70%に相当する年間12トンを減らす。さらに、荷台の床が電動でスライド可能なオートフロアコンテナを使用することで、商品の積みおろし作業の省力化などによる業務の効率化も狙う考え。

  • オートフロアコンテナのトラックに荷物を積み込んだ様子