NECは9月6日、東京五輪における同社のICTシステムの導入を発表した。同社が納入したシステムは、「次世代の業務用無線システム」「混雑状況可視化システム」「全会場で全関係者が会場入場時に本人確認を行う顔認証システム」「ネットワーク機器」「高度監視制御センター装置」。

次世代の業務用無線システムでは、3GPP(Third Generation Partnership Project)に準拠したLTE方式のネットワークシステムとNECの業務用無線システムを融合した技術を採用しており、プライベートな専用網による高い信頼性や耐久性、セキュアかつ安定した無線環境を実現させた。

  • 次世代の業務用無線システム利用イメージ

混雑状況可視化システムは、選手村における新型コロナウイルス感染症対策として、選手村内の5施設に導入。対象施設に設置された混雑検知センサーにより収集したデータから混雑状況を解析し、選手を含む大会関係者向けスマートフォンアプリや、選手村内に設置される表示装置を通じて、各施設の混雑状況を可視化した。混雑度は3段階で表示し、施設利用者の密集回避を促した。

  • 混雑状況可視化システム表示装置

顔認証システムは、競技会場、選手村、大会関連施設であるIBC(国際放送センター)、MPC (メインプレスセンター)などの入場時における、選手やスタッフ、ボランティアなど全大会関係者の本人確認に利用された。大会への参加資格を証明する「オリンピック ID 兼アクレディテーションカード」と事前に撮影・登録した顔画像をシステム上でひもづけし、大会会場、施設における関係者エリアの入場ゲートに設置した顔認証装置を用いて、顔とカードによる本人確認を行った。

  • 顔認証システム利用の様子

同カードを顔認証装置の読み取り機に着券すると、即座に顔認証を行うため、IDカードの貸し借りや盗難によるなりすまし入場、IDカード偽装による不正入場を防止できる。同システムには、NECの生体認証「Bio-IDiom」の中核技術となる顔認証技術が活用されている。