理経は9月3日、顔認証技術を利用して既存アプリケーションのユーザー認証を二要素で行うための、なりすまし防止に有効なプラットフォームを開発し販売を開始したと発表。同製品は認証を一要素のみで行っている既存のアプリケーションに対して、顔認証技術を用いて二要素認証を可能にするプラットフォームである。販売価格は400万円から。

  • システムの構成イメージ

同製品はアプリケーションの起動時または認証操作時に、ユーザーIDと顔認証を連携して、ユーザー認証を行う。ユーザーID認証と顔認証を一貫して行うため、ログイン時の煩雑さがなく、スピーディかつセキュアな二要素認証を実現するとのことだ。

顔認証に加えて、顔を左右に動かすなどの動きを用いた生体認証も可能であり、顔写真をかざすといったなりすましを防止できる。また、同製品はPCやスマートフォンに搭載されたカメラに対応しているため、新たに専用のカメラなどの機器を導入せずに使用を開始できる。

同製品は既存アプリケーションから利用するためのAPIを用意し、柔軟なインタフェースに対応する。また、アプリケーションがAPIに対応できない場合は、ログイン画面に自動入力で対応するという。

  • 動作を指示することで生体認証が可能

ユーザーIDとパスワードを用いた従来のユーザー認証は、必要な情報を入手することで本人以外もログインできるため、安全性を強化するためユーザー認証と生体認証などの2つの要素を組み合わせた二要素認証が推奨されている。

しかし、静脈や虹彩を用いた生体認証には専用の機器が必要であるため、システム導入費用が高額になるうえ、持ち運びが困難という課題がある。また、スマートフォンなどに搭載されている顔認証は2次元(平面)のデータを用いるものが多く、画像データや写真をかざすことで認証できるケースもあるという。

そこで同社は、こうした課題を改善した顔認証技術の開発に至ったとのことだ。この技術によって、高精度かつ高速、非接触な二要素認証を実現した。同社は今後、業務で検査アプリケーションを使用する際のユーザーIDの使いまわしなど、不正利用を防止するためのソリューションとして機能を強化していく考え。