AI insideは9月1日、ノーコードでAIモデル開発が可能な「Learning Center」について、オンプレミス環境での提供を開始すると発表した。同サービスは、「誰でも簡単に高精度なAIモデル開発ができる」をコンセプトにした、ノーコードAI開発ツールである。

これまで提供していたクラウド型ではなく、オンプレミス環境「AI inside Cube Pro」上での提供を開始することで、利用者はAIモデルの学習および推論を自社ネットワーク内で完結可能となる。詳細情報や価格は要問い合わせとのことだ。

  • 「Learning Center」のオンプレミス型イメージ

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速に伴って、さまざまな企業でAI導入が進んでいる。単純作業を自動化するためにAIを導入した企業は、19年度の14.4%と比較して20年度には19.7%に増加しているという。一方で、AIについての理解不足や導入効果への不安、AI人材不足などがAI導入の課題として挙げられる。

AIの導入に際して多くの企業がITベンダーへ開発を委託する傾向にある中、最近では迅速かつ柔軟な対応を目指して、現場主導による内製化の重要性が注目されているという。また、DXの推進により企業が更なる価値創出やビジネス変革を行うために、社内の戦略やビジネスモデルを理解している人材がシステム開発を行う必要があり、そのためのDX人材の育成も求められる。

こうした背景を受けて同社は、エッジコンピュータ「AI inside Cube Pro」を用いたオンプレミス環境において、「Learning Center」の提供を開始する。同サービスによって業務担当者が自社データを活用し、外部ネットワークから遮断された環境で学習および推論し、最適なAIモデルの開発と運用が可能となるとのことだ。

個人情報など機密性の高いデータを取り扱う場合、外部へのデータ提供やクラウドへのアップロードができないケースがある。そうした場合でも学習と推論ができるエッジコンピュータ「AI inside Cube Pro」を社内に設置することで、情報セキュリティ面をクリアしながらも機密性の高いAI活用に寄与するとしている。

さらに、エッジコンピュータはインターネットを介さずに処理を行うため、データをクラウドに送信してから応答を待つ必要がなく、低レイテンシでリアルタイムな処理を実現する。