米IBMは8月23日(現地時間)、年次イベント「Hot Chips カンファレンス」において、企業のワークロードでディープ・ラーニングを活用した推論や不正行為へのリアルタイムでの対応を実現する新しいCPU「IBM Telumプロセッサー」の詳細を発表した。
Telumは開発に3年を要し、トランザクションの実行中にAI推論ができるようにオンチップ・アクセラレーションを搭載した、IBM初のプロセッサとなる。TelumのIBMシステムへの採用は、2022年前半に計画されている。
Telumは、8つのプロセッサ・コアに高度なスーパー・スカラーとアウト・オブ・オーダー命令のパイプラインを実装し、5GHz以上のクロック周波数で動作し、エンタープライズ・クラスの異種ワークロードの要求を満たすよう最適化されている。キャッシュは再設計されており、チップに相互接続できるインフラストラクチャとして1コア当たりのキャッシュは32MBで、32枚まで拡張できる。デュアルチップ・モジュールの設計では、17のメタル層に220億個のトランジスターと19マイルのワイヤーが使われている。
IBMは、不正検出やローン手続き、取引の精算や決済、マネー・ロンダリング防止、リスク分析といった金融サービスのAIに特化したワークロードに、Telumを活用できるとしている。