NECは8月25日、同社と九州大学が開発した「My-IoT開発プラットフォーム」が、東京都の「大学研究者による事業提案制度」採択事業への採用を発表した。

同プラットフォームは、同事業の1つである「AIとIoTにより認知症高齢者問題を多面的に解決する東京アプローチの確立」(東京アプローチ)を実現するシステムのエッジコンピューティングプラットフォームとして採用され、2021年9月から稼働を開始する。

エッジコンピューティングプラットフォームは、利用者や端末と物理的に近い場所に処理装置(エッジプラットフォーム)を分散配置して、ネットワークの端点でデータ処理を行う環境を指す。「My-IoT開発プラットフォーム」は、IoTが普及していない国内の産業・地域などで、IoT利用者自身がローコードで簡単にIoTシステムを構築してデジタル化の価値を検証し、新規ビジネス創出につなげることを目的として開発されたプラットフォームとなる。

  • 「My-IoT開発プラットフォーム」について

東京アプローチでは、認知症患者のQOL維持や認知症患者のケアを担う介護士や家族の負担を軽減することを目指す。具体的には、「My-IoT開発プラットフォーム」を用いて、認知症患者に装着されるウェラブルセンサや居室に置かれた各種のセンサとエッジコンピューティング、AIシステムを連動させ、認知症患者を見守りを行う。また、認知症特有の行動症状および心理症状であるBPSD(認知症の行動・心理症状)の予測を自動的に行い、介護士へ通知してケア手法を提示する。

  • 「東京アプローチ」について

同事業のエッジコンピューティング部分の開発は、連携事業者のケアコムが担当。同社は「My-IoT開発プラットフォーム」を活用して、認知症予防を実現するためベッドサイドと室内環境の情報収集を行い、通知情報と突合した行動予測を行う。

今後はデータの蓄積と予測を強化し、蓄積された情報の解釈とその利活用を前提としたセーフティマネジメントシステムを構築。医療・介護のみならず家庭における安全・安心の提供を目指す。