IDC Japanは8月24日、国内システム/サービス管理ソフトウェア市場の2020年の実績と2021年~2025年の予測を発表した。
これによると、2021年の国内システム/サービス管理ソフトウェア市場は前年比5.4%増の3029億7300万円になるという。2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は6.3%となり、2025年の市場規模は3,899億800万円になると同社は予測している。
2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるIT投資の控えやシステム構築・更改案件の減少の影響を受け、前年比成長率が0.4%とほぼ横ばいに推移。ベンダー別売上額シェアは、1位から日立製作所、富士通、NECとなり、順位に変動はなかった。
2021年は国内経済が回復に向かい、新規ITシステム導入やITシステム更改への投資が回復するとIDCではみており、2021年のシステム/サービス管理ソフトウェア市場も再び成長基調に入り、前年比成長率が5.4%になると予測。2022年以降はさらなる成長が見込まれ6%以上の前年比成長率が継続すると見込む。
ITシステムやITサービスの管理機能をクラウドサービスとして提供するシステム/サービス管理クラウドサービス市場が高い成長を続けている。2020年実績は前年比40.9%増の219億900万円となり、2021年は前年比39.8%増の306億2,500万円と同社は予測。
2020年~2025年のCAGRは32.0%、2025年には877億300万円に達すると見込む。2020年のベンダー別売上額シェアは、1位からServiceNow、New Relic、マイクロソフトとなっている。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティのグループマネージャーである入谷光浩氏は「ITサプライヤーは、マルチクラウド化の進展によってますます複雑化かつ分散化していくITシステム環境の将来を見据え、それに対してクラウドサービスやAIOpsを活用した次世代のITシステム運用管理ソリューションを提供していくことが必要である」とコメントしている。