キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は8月23日、製薬企業の安全管理部門と医薬情報担当者(MR)向けに、安全性情報管理システム「PVLink Report Manager Cloud」の提供を開始すると発表した。
製薬企業が医薬品の副作用と疑われる症例を確認した場合、厚生労働省所轄の医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告する義務がある。令和2年度の医薬品の副作用等報告は約65万件にも上り、膨大な症例情報の収集および評価を行う製薬企業の安全管理部門では、安全性情報進捗管理システムの需要が高まっているという。
しかし副作用報告の収集項目は製品ごとに多岐にわたるため、導入までに長時間を要する課題がある。さらに、製薬企業のシステム構築には開発プロセスの検証と文書化がガイドラインで定められており、システム導入時だけでなく取り扱い商品の拡大や追加に伴うシステム改修のたびに対応が必要となる。
こうした背景を受けて同社は、製薬企業の安全性情報の進捗管理に必要な機能を標準化して、同社のクラウドサービス「SOLTAGE(ソルテージ)」を活用した「PVLink Report Manager Cloud」の提供を開始するとのことだ。
同サービスは安全性情報管理業務に必要な情報収集から進捗管理などの機能を備えており、要件定義にかかる時間を短縮できるため、短期間での導入が可能だという。さらに、個別の薬品に応じた収集項目の追加にも対応している。
なお、システムの導入から保守サポートに加えて、ガイドライン対応まで同社が担当するとのことだ。同サービスはクラウド型と買取型の2つのタイプで提供される。価格は、クラウド型が初期費用に加えて月額100万円から、買取型が初期費用に加えて900万円からとなっている。