米YouTubeは8月23日(現地時間)、YouTube動画のクリエイターの収益化を支援する「YouTubeパートナープログラム」の参加者が200万人を突破したと発表した。同プログラムはコンテンツ連動型広告配信サービス「AdSense」をベースに、広告表示からの売り上げをクリエイターに分配するプログラムとして2007年にスタート。14年で200万人のマイルストーンに到達した。
「YouTubeパートナープログラムは世界規模で、クリエイターエコノミーを動かす最大の原動力の1つであり続けています」とNeal Mohan氏(YouTubeチーフプロダクトオフィサー)。ここ数年でクリエイターエコノミー(クリエイターなどがそのスキルや作品をネットを通じて収益化する経済圏)が目覚ましいペースで成長しており、2019年に米国におけるYouTubeのクリエイティブエコノミーの規模は345,000のフルタイム職に相当した。昨年、コロナ禍で人々が自宅で過ごす時間が増え、オンラインにいる時間やオンライン取り引きが増加したことでさらに成長が加速。過去3年間のYouTubeパートナープログラムを利用するクリエイター/アーティスト/メディア会社への支払い総額が300億ドルを超えた。
YouTubeパートナープログラムの利用資格は、チャンネル登録者数が1,000人以上、そして直近12カ月の総再生時間が4,000時間以上であること。YouTubeのポリシーとガイドラインの遵守も利用条件の1つだが、過去にはヘイトスピーチや過激思想などを含む悪質な動画が配信され、広告主によるボイコットが広がったこともあった。
クリエイター、視聴者、広告主、全ての利益につながる良循環のある動画プラットフォームを目指して、YouTubeは過去数年にわたってポリシーの改善、リソースや製品への投資を強化してきた。その結果、2020年第4四半期には同社の基準に違反したコンテンツの再生回数は0.16〜0.18%(10,000再生で16〜18回)にとどまった。広告主からの評価も向上しており、2021年第2四半期にはYouTube広告の売上高が70億ドルを超え、クリエイターやパートナーへの支払い額は過去のどの四半期よりも多かった。
パートナープログラム利用者が増加しているもう1つの要因が収益方法の多様化だ。サブスクリプション(YouTube Premium)、ブランドコンテンツキャンペーン(YouTube BrandConnect)、マーチャンダイジング、デジタルグッズ(Super Chat、Super Stickers、チャンネルメンバーシップなど)など、広告以外にも様々な方法でクリエイターが成長をつかめるよう多角的なビジネスの構築に取り組んでいる。