東京大学、経営共創基盤(東京都千代田区、IGPI)、KDDI 、東京大学エッジキャピタルパートナーズ(東京都文京区、UTEC)、松尾研究所(東京都文京区)の5者は8月19日、8月18日にオンライン記者会見で発表した「アントレプレナーシップ教育デザイン寄付講座」の開設に併せ、教育内容や講義体制といった具体案を公表した。

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■東京大、企業と連携しアントレプレナーシップ教育デザイン寄付講座を開設

東京大学エッジキャピタルパートナーズは東京大系のベンチャーキャピタル(VC)であり、投資実績を積み上げているVCである。また、松尾研究所は東京大大学院工学研究科の松尾豊教授の研究室などが研究開発しているAI系の研究成果・技術を開発し社会実装を促進するベンチャー企業。同社は2020年2月20日に設立された新しいベンチャー企業だ。

アントレプレナーシップ教育デザイン寄付講座は、東京大工学部・大学院工学系研究科技術経営戦略学内に設置され、技術経営戦略学専攻の坂田一郎教授が講座代表を務める。具体的には、2021年度は2021年10月7日から2022年2月10日までの木曜日6限(午後6時45分から午後8時30分)に講義する計画。

2022年度と2023年度までの3年間にわたって、1.2億円の運営費用で寄付講座を運営する計画だ。

寄付講座の講義内容とその狙いは、実践的なアントレプレナーシップ(起業家精神)の講義を受けることでベンチャー企業を創業し、さらにその当該ベンチャー企業が数年後にIPO(新規上場株)あるいはM&A(合併・買収)段階を経て、社会的に存在感がある企業に成長することを目指す。これによって、日本の既存の大企業の事業内容も改革・再生することを目指している。

同講座の中身は講義とフィールドワークの2軸で実施される想定だ。

  • 仕組み

    アントレプレナーシップ教育デザイン寄付講座の全体像(引用:KDDI)

講義は希望者の受講が可能で、通常の対面講義あるいはWeb講義を予定している。

実践教育を図るフィールドワークは、講義の登録者の中から約30人を選抜して、同講座の費用を負担する経営共創基盤、KDDI 、東京大学エッジキャピタルパートナーズ、松尾研究所などの経営陣・実務者が実践的な中身を講義する。また、フィールドワークでは、ダイキン工業、日本たばこ産業(JT)、サントリーホールディングスも協力する予定だという。

この講義とフィールドワークによって、アントレプレナーシップを習得した起業家を育成し、日本の既存の社会基盤を変える存在感のあるベンチャー企業の創業を図ることを狙っている。

同講座は2021年9月13日から申し込みを開始し、10月初めまでにフィールドワークの受講生を選抜する予定だ。