OpenBSDプロジェクトは2021年8月20日(オーストラリア時間)、「Announce: OpenSSH 8.7 released」において、OpenSSHの最新版となる「OpenSSH 8.7」の公開を伝えた。OpenSSHはSSHプロトコル2.0の100%互換実装で、リモートログインの基本的な技術として世界中で広く使われている。
今回のバージョンではホスト間でファイルのコピーを行うscp(1)の挙動が一部変更となっている。これまで、リモートからリモートへコピーする場合、-3オプションを指定することでローカルホストを経由したファイル転送が可能だった。このモードであればコピー元のホップで認証情報を公開する必要がなく、ファイル名の三重解釈も避けることができる。今回のバージョンではこのモードがデフォルトで機能するように変更されている。
scp(1)は現在はSCP/RCPプロトコルを使ってホスト間のファイルコピーを行っているが、今回のバージョンでは実験的ながらSFTPプロトコルを使ったファイル転送も実装された。この機能は-sオプションを指定することで有効化することができる。なお、SFTPプロトコルを使ったファイル転送モードは将来デフォルトに設定され、今回導入れた-sオプションはそれまでの一時的な機能として提供される予定になっている。