エヌエヌ生命保険は8月19日、引受査定業務におけるAI-OCR の導入の決定と機械学習による支払いリスク予測モデル構築のPoC(Proof of Concept:実現可能性の検証)を完了し、2022 年内の実装に向けた準備を開始したと発表した。

エヌエヌ生命保険は、シナモンが提供するAI-OCR「Flax Scanner(フラックス・スキャナー)」を活用して、医務書類データの読み取りおよびデータ入力の自動化と、保険契約者のリスク判定に機械学習モデルを活用したAI査定を導入し、2022年内にストレート・スルー・プロセッシング(人手を介さない査定業務)の実現を目指す。

  • AIを活用したストレート・スルー・プロセッシングの実現イメージ

エヌエヌ生命保険では保険引受時の医務査定において、保険契約者(保険の申し込み者)から健康診断結果報告書や人間ドック成績表といった医務書類を、募集人および営業担当社員を介して郵送で受け付けてきた。受け付けた書類は、事務担当者が項目ごとに目視確認を行い手入力でデータ化を行うが、目視で確認を行う項目は1帳票あたり30以上に上り、書類の体裁も医療機関ごとに異なるなど、申込手続きの迅速化において課題があった。

今回のAI-OCRの導入によって、保険契約者は医務書類の提出が不要となる。エヌエヌ生命保険は医務書類データの読み取りおよびデータ入力のが自動化され、データ化された各検査項目に基づいて自動で医務査定が行える。

医務査定のプロセスでは機械学習モデルとルールエンジンを併用し、平均2~3営業日かかっていた査定完了までの期間を、引き受けリスクの程度に応じて最短で3分以内に短縮することが可能となる。機械学習および AIによる査定には DataRobotのソリューションを採用している。