PayPayは8月19日、中小加盟店(年商10億円以下)における決済システムの手数料を有料化すると発表した。月額1980円(税別)のPayPay独自のクーポンの発行などができる加盟店向けのサービス「PayPayマイストア ライトプラン」に加入している店舗は手数料が取引金額の1.6%(税別、以下すべて税別)で、未加入の場合は1.98%。

  • 10月から適用されるPayPayの手数料率

同社は、サービス開始当初から2021年9月末までの決済システム利用料を無料としてきた。10月より手数料を有料化することで、黒字転換とともに収益化を図る。同日開催された記者説明会で、PayPay 代表取締役 社長執行役員CEOの中山一郎氏は、「健全で透明性が高い、新しい手数料率を設けた」と説明した。

  • PayPay 代表取締役 社長執行役員CEOの中山一郎氏

またPayPayは、10月からの決済手数料の有料化に伴い、最大6カ月間「PayPay」で決済された決済額の3%を振り込むキャンペーンを開始する。申込期間中に「PayPayマイストア ライトプラン」を契約し、キャンペーンにエントリーした加盟店を対象とする。

  • PayPayの「3%振り込みますキャンペーン」概要

PayPayは2016年のサービス開始より、ユーザー数が累計4100万人、加盟店数が340万店を超えた。中小加盟店の割合は非公表だが、「かなりの数がある」と中山氏は語った。オンラインやオフラインでの利用だけでなく、請求書払いや送る・受ける機能など、さまざまな用途でPayPayは利用されている。

  • PayPayのユーザー数・加盟店数の推移

また、LINEが提供する「LINEペイ」も、同じく10月より決済手数料を取引金額の2.45%で有料化する予定だったが、8月19日に1.98%に引き下げると発表した。決済対象サービスは「プリントQR」「店舗用アプリ」「支払いリンク」。

  • LINEペイも10月から手数料をとる

PayPayやLINEペイの決済手数料は競合他社やクレジットカード会社と比較すると安く、導入しやすい価格設定になっている。クレジットカードの一般的な手数料は2.50~3.75%で、ドコモ、KDDI、メルペイがそれぞれ提供するスマホ決済である「d払い」、「au PAY」、「メルペイ」の決済手数料は2.6%、楽天が提供する「楽天ペイ」は3.24%だ。

PayPayのリーズナブルな手数料率の設定を受け、競合他社がどう動き出すのか、今後注目したい。