Intelは8月9日(米国時間)、米国オレゴン州ヒルズボロのローナーエーカーズ工場の開発・試作ライン(D1X)にて2019年より30億ドル規模で進められてきた建物の拡張(Mod 3)を終え、半導体製造装置の搬入を開始したことを発表した。
最初に搬入されたのは薄膜を堆積して形成するツールで、今後6か月をかけて同様の装置を12台以上、そのほかの装置も併せると1500台ほどが設置される予定で、この規模は従来の工場よりも大規模なものであるという。
従来は、D1Xである程度歩留まりがあがってきたら、ほかの工場にプロセスを移管して量産に移っていたが、今回は微細化の遅れを少しでも取り戻すためか、同一キャンパス内で開発・試作から量産まで一気に進めていく模様である。
同社によると、この工場拡張は、世界中の工場の製造能力増強に向けた取り組みの一環だという。すでに同社は今回のD1X Mod 3のほか、米国だけでもアリゾナ州チャンドラ、ニューメキシコ州のリオランチョで工場の拡張、新設などを進めている。米国外も含めると、アイルランド、イスラエル、コスタリカでも同様の工場の拡張、新設などを進めているという。
チャンドラには約200億ドルを投じることで、ファウンドリ向け前工程工場を2つ、リオランチョには約35億ドルを投じて後工程工場がそれぞれ建設される。このほか、EU圏内でのファウンドリ工場建設も計画しており、同社ではオランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、ドイツなどを候補地としているが、有力顧客である自動車メーカーが多いドイツに立地する可能性が高いと見られている。