大日本印刷(DNP)、アストロデザイン、シャープ、ソシオネクスト、輝日、ドルビージャパンの6社は8月17日、8Kの高精細映像と立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」を掛け合わせた没入感の高い映像コンテンツを制作し、5G(第5世代移動通信システム)通信などを用いてその大容量データを安定的に配信していくことで連携すると発表した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によりイベントやコンサート等の多くが開催中止や延期となる中で、ライブ・エンターテインメントに関わる企業はビジネスモデル変革の取り組みを強化しているという。
また、コロナ禍では物理的な密集状態を避ける必要もあり、自宅などからでもライブ会場にいるような没入感の高い体験に対する生活者のニーズが高まっている。
こうした状況において、映像コンテンツの制作や配信、映像・音響関連製品の開発・販売などを手掛ける6社が連携し、臨場感あふれる映像コンテンツを多様な環境で提供していくとともに、8Kの高精細映像やDolby Atmosの市場拡大を目指す。
8K映像は、地上デジタル放送のフルハイビジョンと比べて16倍の解像度を持ち、高い品質の色域表現や多階調表現、輝度、画像の高速表示などに優れている。またDolby Atmosは、前後左右に頭上からの音を加えたもので、3次元空間内で音源の本来の位置から音を鳴らし、あたかもその場にいるような臨場感・没入感が得られるとのこと。
これらの特徴を生かし、8K映像とDolby Atmosの規格を掛け合わせて迫力と没入感あふれる映像コンテンツを制作していく。今回の取り組みでは、コンテンツの制作に加えて配信や再生のインフラ構築まで、各社の強みを生かして一貫して提供する。
高精細な8K映像コンテンツのデータ容量は大きくなるため、従来はIP網での送受信は困難とされていたが、シャープの5G通信に対応した8K IP配信ソリューションやソシオネクストの8Kエンコーダ・デコーダ、輝日の動画配信プラットフォームや回線インフラ構築サービスなどを使用し、安定的でスムーズな配信を可能にするとのこと。
加えて、さらなる市場拡大を目指し、多様な企業と連携していく協議会などの設立も検討していく方針だ。各社の役割と主な利用シーンは以下の通り。