デル・テクノロジーズは8月17日、Forrester Consulting社が実施した世界規模の委託調査の結果を発表した。

調査から、日本および世界のほとんどの企業がデータの増加に苦慮していることが明らかになったという。

この調査結果は、世界45カ国4,000人(日本は200人を対象)のデータ戦略およびデジタル トランスフォーメーション(DX)を担当する意思決定者を対象に実施された調査に基づいたもの。また、世界中の企業のデジタル成熟度を評価するデル・テクノロジーズの「Digital Transformation Index」調査を踏まえて実施している。

調査によると、世界の企業の3分の2(66%)(日本:65%)が、自社はデータドリブンであり、「自社にとってデータは生命線である」としているものの、データを資本として取り扱い、データを活用することを全社規模で優先しているとした世界の企業は、21%(日本:25%)だったという。

このようなパラドックスの背景を明確にするため、本調査ではデータに対する企業の準備状況を「Data Champions」、「Data Enthusiasts」、「Data Technicians」「Data Novices」の4つに分類した。

  • データに対する企業の準備状況

この評価では、世界の企業の88%(日本:80%)が、データテクノロジーとプロセスおよびデータ カルチャーとスキルのいずれか、またはどちらもまだ発展途上にあることが示されており、データ管理/活用の優良企業である「Data Champions」は、わずか12%(日本:20%)であることが明らかになったという。

また、世界の企業の70%(日本:66%)が、データの分析や利用のスピードよりも、データ収集のスピードの方が速いと回答している一方、67%(日本:73%)が、現在のデータ提供能力よりも多くのデータを常に必要としていると回答しているという。

この原因は、64%(日本:68%)が、エッジ(データの生成場所)でデータを処理することが多くのメリットをもたらすことを知っているにも関わらず、大量のデータを自社が所有または管理しているデータセンターで保護しているためだという。

また、データに対するリーダーシップの低さや自社のデータおよび分析戦略を目に見える形で支援していない点も要因だという。

同社では、「企業はカスタマーサービス促進のために、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現しなければならないという大きなプレッシャーの中、より多くのデータを取り込むだけでなく、保有するデータから、より高い価値を引き出す必要があり、特に44%(日本:45%)の企業が、パンデミックによって収集、格納、分析しなければならないデータの量が大幅に増えたと回答している現在では、なおさらです。データ ドリブンな企業になることは旅(ジャーニー)であり、その旅路を進んで行くためには、ガイドが必要です」としている。

同社では、企業は、以下の3つの方法によってデータの負担を利点に変えることができるとしている。

  1. データが存在する場所すなわちエッジでニーズを満たすことができるように、ITインフラストラクチャーをモダナイズ(最新鋭化)する。これには、一貫性のあるマルチクラウド運用モデルを維持することで、データが無秩序に増加することを避けながら、データの収集、分析、処理が必要な場所にインフラストラクチャーとアプリケーションを近づける作業が含まれる。

  2. データ パイプラインを最適化して、人工知能(AI)/マシンラーニングでデータを強化しながら、自由かつ安全に流れることができるようにする。

  3. 顧客が求めるパーソナライズした統合体験を提供するソフトウェアを開発する。