デル・テクノロジーズは8月6日、 全国の大学・短大・高等専門学校を対象に2021年6月に実施した、「高等教育におけるオンライン教育実態基礎調査」の結果を発表した。

  • 2020 年度オンライン授業実施率と全授業に対するオンライン授業の実施比率(出典:デル・テクノロジーズ)

    2020 年度オンライン授業実施率と全授業に対するオンライン授業の実施比率(出典:デル・テクノロジーズ)

この調査は、日経BPコンサルティングが日本デジタル・アーキビスト資格認定機構とデジタルアーカイブ学会の協力を得て、デル・テクノロジーズの協賛の元に実施したもの。2021年6月4日〜6月23日に郵送留置き法によって実施し、対象となった全国1161の大学・短大・高専のうち320校から回答を得たものだ。

320の大学・短大・高専のうち、2020年度(令和2年度)の「オンライン授業」実施率は 96.8%(310校)で、国立大学と高専では回答校のすべて(100%)が実施している。

「オンライン授業」の実施比率では、「6〜7割程度」が25.6%、「8〜9割程度」が 24.1%で、全授業の5割以上を「オンライン授業」とした学校は7割にのぼった。

2020年度から「オンライン授業」を導入した286校のうち、57.7%が準備期間は「1ヵ月以内」と回答。「2〜3ヵ月以内」を含めると9割以上の学校が、コロナ禍対応として短期間で準備を進めたことがわかる。

  • オンライン授業を導入するにあたり、要した準備期間(出典:デル・テクノロジーズ)

    オンライン授業を導入するにあたり、要した準備期間(出典:デル・テクノロジーズ)

「オンライン授業」導入の目的としては、「コロナ禍の対応として」が全体で95.9%。一方、国立大学に限定すると「IT・ICT 教育推進のため」(60.7%)や「大学全体のDX推進のため」(32.1%)、「学生の学力向上のため」(28.6%)といった目的で導入している大学が、公立大学や私立大学に比べ多かった。

オンライン授業導入にあたり「教員のスキルアップのための支援」を行った学校(273校)にその内容を尋ねたところ、92.7%の学校で「オンラインツール・ システムの操作説明と実施訓練」、50.5%が「オンライン教材作成の研修会実施」を行った。しかし、「著作権、肖像権、個人情報保護の研修を実施」したのは26.7%に留まった。

  • 大学区分別 オンライン授業導入(開始)の目的 上位項目(出典:デル・テクノロジーズ)

    大学区分別 オンライン授業導入(開始)の目的 上位項目(出典:デル・テクノロジーズ)

オンライン授業における受講記録などのデータ取得・分析については、全体の 64.2%の学校が「データを取得している」と回答しているが、「分析までしている」学校は 15.9%に留まる。ただし、国立大学と高専では積極的なデータ活用に取り組む学校が多い。

一方、これらの受講データなどをどのように教員にフィードバックしているかを尋ねたところ、「個人に直接フィードバック」をしている学校が47.0%と最多、学科単位や学部単位といった複数人での結果の共有をしている学校は、それぞれ2割以下となった。ただし、「オンライン授業」を 2019年以前から導入している学校では、「学部単位」でフィードバックをしている学校が4割を超え、複数人でのデータ共有がなされている。