ローム、低消費電力を実現するショットキーバリアダイオードの新製品を発表

ロームは8月5日、車載機器・産業機器・民生機器などの回路の整流や保護に用いる、ショットキーバリアダイオード(SBD)として「RBRシリーズ」12製品および「RBQシリーズ」12製品を追加し、全178製品にラインアップを拡充したことを発表した。

さまざまなアプリケーションで低消費電力化が求められる中で、他のダイオードに比べて高効率なSBDの採用が増加している一方、効率を求めてV_F(順方向電圧)を低くすると、背反関係にあるI_R(逆方向電流)が高くなり熱暴走リスクが高まるため、回路設計時のSBD選定には、V_FとI_R、両方のバランスを見極めることが重要だとしており、同社のSBDシリーズは、V_F特性とI_R特性のバランスを追求したラインアップとなっているとしている。

RBRシリーズの新製品の特徴は、V_F特性を従来品比で約25％低減し、低損失化を実現したことで高効率化が求められる車載機器のオンボードチャージャーや民生機器のノートPCなどでの利用に適したものになったとしている。

また、チップの小型化により、パッケージの小型化も図ることができるようになり、実装面積を従来品比で42％削減することも可能だとしている。

RBRシリーズの順方向電圧の特性比較(出典:ローム)

一方のRBQシリーズは、低I_R特性を特徴とし、逆電力損失を60%低減しているため、SBDで懸念される熱暴走リスクを低減することが可能。そのため、高温環境での動作が求められる車載のパワートレインや産機機器の高電圧電源などに適しているという。高耐圧化のニーズに向けて、100V品を12製品追加したとの事だ。