NTTデータは8月4日、2022年度第一四半期決算(4-6月期)を発表した。売上高は前年度比11.3%増の5908億円。営業利益は前年度比77.1%増の473億円と大幅な増収増益となった。
一方、受注高は、前期の国内中央府省向け大型案件の反動減などにより減少となったものの、代表取締役副社長執行役員の藤原遠氏は、「通期業績予想に織り込み済みのものであり、想定どおり」とした。受注が増えたセグメントは、製造業向け案件などが寄与した「法人・ソリューション」と、スペインなどでの案件獲得や為替影響が寄与した「EMEA・中南米」となる。
2022年度の連結業績予想に変更は無く、売上高は2兆3600万円、営業利益は1800億円の見通しだ。
売上高は全セグメントで増収となった。「公共・社会基盤」ではテレコム向けサービスの規模拡大、「法人・ソリューション」では製造業や流通・サービス業向けサービスの規模拡大などが増収要因に。「北米」「EMEA・中南米」では新型コロナウイルス感染症の影響が縮小した。
海外の収益性改善の取り組みについて、北米ではNexientの買収を通じて、クラウド環境におけるアプリケーション開発やモダナイゼーションなど、デジタルビジネスの重点領域の強化を進める。グローバルブランドの統一と事業会社統合を進めるEMEA・中南米では、地域統括会社「NTT DATA EMEAL」を設立し、2021年9月中旬から事業運営を統合する予定だ。
半導体不足が事業に与える影響について、藤原氏は間接的には製造業の顧客に影響がおよぶ可能性を指摘。直接的には、コンピューターやサーバーといった設備面の供給不足感がある旨を明かしたが、現時点で半導体不足によりサービス提供が遅れる事例は出ていないという。
第2四半期以降、下期にかけての事業見通しについては、公共分野、金融分野がこれまでと変わらず、順調に伸びるとの考えを示した。また昨年度と比べて、製造業の回復に伴ってIT投資が増えつつあり、法人分野には伸び代があるという。欧米では事業構造改革の効果が現れ始めており、収益性の高いデジタル系の案件の受注も出てきている。
国内のIT投資の動向については、コロナ禍で直接対面でのサービス提供が難しくなる場面が増える中で、藤原氏は「提案を求められるケースが増えている」と明かした。