Gartnerは8月5日、全世界における2021年の5Gネットワーク・インフラストラクチャの売上高が、2020年の137億ドルから39%増の191億ドルに達するという見通しを発表した。
5Gは、無線インフラストラクチャ市場で最も急成長しているセグメントで、同市場を構成するセグメントのうち、投資拡大の大きな機会をもたらすのは5Gだけだという。4GまでのレガシーRANインフラストラクチャへの投資はすべての地域で急速に衰退しており、5G以外のスモール・セルへの支出は、通信サービス・プロバイダー(CSP)が5Gスモール・セルへと移行するにつれて減少する傾向にあるということだ。
CSPの5G売上高を地域別に見ると、北米では2020年の29億ドルから2021年には43億ドルに拡大するとみられ、西欧では2020年の7億9,400万ドルから2021年には16億ドルに増加する見込みだという。中華圏は世界の売上高シェア第1位を維持し、2020年の74億ドルであった売上高が2021年には91億ドルに達する見通しであるという。
Gartnerは、商用化可能な5Gサービスを提供するCSPの割合が2020年の10%から2024年には60%に拡大するとみている。これは過去のLTEや4Gの普及率と同等で、5Gへの投資は2021年にLTEおよび4Gを上回ると推測する。
アナリストでシニア ディレクターの瀧石浩生氏は次のように述べている。「Open RANとvRANの商用化は少数の革新的なCSPによって始まったばかりですが、業界からの注目を集めており、5Gの将来的な成功には欠かせないものです。日本は5Gをリードする国の1つといえます。特に、CSPによるOpen RANおよびvRANの早期商用化、ならびに企業によるローカル5Gの導入が世界に先駆けて行われています。日本発のエコシステムが世界に影響を与える可能性があり、その動向を注意深く見守る必要があります。既に米国や英国のCSPが日系ベンダーを選定しており、こうした動きは今後も広がる可能性があります」