日本エイサーは8月4日、GIGAスクール構想における学校配布端末に関する調査の結果を公表した。小学生の子どもを持つ保護者1096人がアンケートに回答したという。なお、同調査は小学館の第一児童学習局が運営する育児メディア「HugKum(はぐくむ)」と共同で実施したもの。

文部科学省が2019年にGIGAスクール構想を打ち出し、学校では1人1台学習用パソコンの普及に向けた取り組みが進められている。そこで同社は、急速に進む教育現場のICT化に関する保護者の理解と、家庭における端末利用の状況について調査したとのことだ。

2021年7月の調査時点における端末支給率は約76%だった。このうち「子どもが学校から支給されている端末がどのようなものか知っている」と回答した人は69.1%であり、内訳として最も多かった端末はChromebook(46.5%)だったとのことだ。これに、iPad(32.8%)、Windowsパソコン(20.7%)が続いた。一方で、30.9%が「支給をされたことは知っているが、何を使っているかわからない」と回答している。

  • 端末を支給されたが、子どもが何を使っているか把握していない保護者は約3割 資料:日本エイサー

また、端末が支給されて学校で使っている小学生のうち15%が「支給された端末を自宅に毎日持ち帰る」と回答し、31%が「ときどき持ち帰る」と回答したことから、約半数近くの子どもが端末を家庭に持ち帰っていることが明らかになった。

  • 約半数が端末を家庭に持ち帰っているという 資料:日本エイサー

子どもが端末を家に持ち帰ってきっていると回答した人のうち、最も多くの人が「日常生活でPCを使っているのである程度教えられる」と答えた。また、「子どもが端末を使う時間や使い方を親子でルールを設けたい」という回答も多く、パソコンの使い方について親子間で考える機会になっていることがうかがえる。

一方で、「自分がPCに詳しくないので教えられない」「自分が使っているPCと違ったため、子どもの宿題を手伝えない」「子どものためにも、子どもと一緒に使い方を学んでいこうと思う」という回答も目立ったとのことだ。

また、家庭でもPCの購入を考えている人のうち10.6%が「学校で使っているパソコンと同じものが欲しい」と回答している。他にも、「ノートPCとタブレット端末どちらが子どもにとってよいかわからない」「購入を検討しているが、高価すぎないものがほしい」のような回答も多いことが明らかになった。

  • 子どものPC端末利用について親子で考えたいという意見が多かった 資料:日本エイサー

GIGAスクール構想によって学習用パソコンやタブレットの端末が配布されたことで、69%の人が「家庭にもう1台パソコンが必要」と考えていることが明らかになっている。理由としては、「子どもが端末を持ち帰ってこなかった時に貸す端末がないこと」「学校の端末は制限が多いために家庭用として活用できないこと」が挙げられている。

  • 約7割の保護者が、家庭にもう1台パソコンが必要だと考えている 資料:日本エイサー