Nexperiaは8月4日、電子ヒューズやバッテリの保護を必要とする5G通信システム、48Vサーバー環境、産業機器のホットスワップソフトスタート・アプリケーション向けに、安全動作領域(SOA)性能を強化した特定用途向けMOSFET(ASFET:Application Specific FET)「PSMN4R2-80YSE」(80V、4.2mΩ)と「PSMN4R8-100YSE」(100V、4.8mΩ)を発表した。

従来のMOSFETには、高電圧時に熱不安定性によってSOA性能が急速に低下する「二次降伏」が発生するという課題があったが、同製品は、堅牢性と性能を強化したSOA技術によって性能の「急低下」を解消し、D2PAKパッケージの前世代製品と比較して50V時にSOAを166%拡大することが可能だとしている。

また、従来のSOAは25℃でのみ規定されており、設計者は高温環境での動作にはディレーティング作業が必要だったが、同製品には125℃のSOA仕様が含まれており、時間のかかるディレーティング作業が不要になるとのことだ。

同製品はPower-SO8互換LFPAK56Eパッケージに封止されており、パッケージサイズは5mm×6mm×1.1mmで、前世代のD2PAK製品と比較しPCBフットプリントを80%、デバイスの高さを75%低減。最大接合部温度は175℃で、通信/産業アプリケーション向けのIPC9592規格に適合するとしている。

  • LFPAK56Eパッケージ

    LFPAK56Eパッケージのイメージ(出典:Nexperia)

なお、同製品は同社のイギリス・マンチェスターの新8インチ・ウェハ製造工場で製造される予定で、9月21日から23日まで開催される同社のオンラインイベントでも同技術を紹介予定だという。