アイリスオーヤマは8月2日、事業拡大に伴って新オフィス「アイリスオーヤマ東京R&Dセンター(東京 蒲田)」を開設し、稼働を開始した。
ニューノーマル時代に対応してABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の考え方を取り入れ、開発力と生産性の向上を目指したという新オフィスを訪問したので、その様子をお届けする。
同社が1年間に発売を開始するアイテム数は約1000点を超え、また、総売上高に占める新商品の売上高は6割を占めるという。これまでは研究開発拠点として、角田I.T.P(宮城県)と大阪R&Dセンター(大阪府)を構えていたが、さらなる研究開発機能の拡充と商品開発力の強化、および人員の確保を目指して新オフィスの開設に至ったとのことだ。
新オフィスのエントランスには、ニューノーマルに対応した取り組みとして、顔認証型のAIサーマルカメラが設置されている。社員の顔を事前に登録することで、マスクをしながらも部屋を開錠して入退室が可能となる。また、顔認証と同時に体温測定も実施するとのことだ。
新オフィス全体のコンセプトであるABWの考え方に基づいて、その日の仕事内容によって自分の働く場所を自由に選択でき、多様な働き方が可能になる空間づくりを目指しているという。フリーアドレス制を基本にしたことで、他部署のメンバーも含めた情報共有や活発な交流を刺激する狙いだ。
オフィスの中央に備えられた、ちょっとした時間に立ち寄ってメールのチェックなどができるタッチダウンエリアが印象的だ。植物を設置することで社員のリフレッシュを促し、柔軟な発想が生まれることを期待しているという。
執務エリアには、遠隔地とのコミュニケーションをより快適にする、「AIインタラクティブボード」が設置されている。同製品にはOSとしてAndroidを搭載しているため、ZOOMやMicrosoft TeamsなどのWeb会議システムにも対応している。
高精細4Kプロフェショナルカメラを内蔵しているので、従来の一般的なWebカメラでは伝わりにくかった細かい表情までを捉えられ、さらに高性能マイクによって臨場感のある音声が伝えられるという。
オフィス内にはフェルト製の吸音素材で囲われた集中エリアが備えられている。同製品も、Web会議が増加したニューノーマル時代に対応して導入されたという。周囲の音を気にせずに、個人の業務に集中するためにも活用できる。
今回紹介した製品以外にも、新オフィス内には同社を含めたグループ会社の電化製品やソリューションが大半を占めている。自社の製品を実際に社員が使うことで見えてくる課題や改善点を、次の商品開発に生かすのだという。
新オフィスの設計に携わったアイリスチトセ 広報室 室長 崔東珍氏は「オフィスの設計にあたって、HPC(Health・Productivity・Comfort)を大切にした。随所に立席のデスクを取り入れるなど、体を適度に動かしながら仕事をすることが良い刺激になれば」とコメントした
同社は新オフィスを開設し、今後ますます開発力を強化するために、人材の獲得にも力を入れていくとしている。同オフィスでは、今後3年間で新卒採用を含めて120人の採用を予定している。