好調な半導体メモリ事業が業績の伸びを後押ししたSamsung

Samsung Electronicsが7月29日に発表した2021年第2四半期(4~6月期)連結決算の部門別業績によると、半導体事業の売上高は前年同期比25%増の22兆7400億ウォン、営業利益は同28%増の6兆9300億ウォンで営業利益率は30%を超えたという。

同社主力の半導体メモリ事業は、サーバおよびPC分野からの強い需要と、DRAMおよびNAND双方の平均販売価格が予想を上回る勢いで上昇した結果、売上高が増加。製造コストも先端プロセスの活用により、下げることができたという。

また、下半期については、コンポーネントの供給問題が続くだけでなく、新型コロナや地政学的緊張によるリスクが続く一方、5Gの採用が増加し、サーバとPCの需要が持続していることを背景に、メモリ市場のファンダメンタルズは引き続き堅調との見方を示している。

また、EUVベースの14nm DRAMの量産を下半期に開始する予定であると同社では説明しているほか、高難度エッチング技術を活用したダブルスタックベースの176層第7世代V-NANDを用いた民生用SSDの量産を開始するともしている。

一方のシステムLSI事業だが、中国顧客からの100Mピクセルイメージセンサの堅調な需要と寒波の影響を受けた米国テキサス州オースティンのファブの生産正常化により収益が改善したものの、スマートフォンそのものの発売が減少した結果、SoC需要も減少したこともあり、その効果はやや限定的であったとする。

下半期については、特に第3四半期に季節的要因でスマホやテレビの需要が高まるのに併せてSoCや有機ELディスプレイドライバICなどの需要が高まることが期待され、全体的な収益の改善が進むと予想している。

今年下半期には、5Gの普及、在宅勤務の傾向が続き、顧客が安全在庫を確保することで、これまで以上に市場が成長すると見込んでいる。この高まる需要に対応するため、平沢S5ラインの本格稼働によりチップ供給能力を最大限に発揮し、将来の投資や顧客・用途の多様化を維持するための価格戦略により、年間売上高を20%以上の成長を目指している。

3年ぶりに四半期売上高10兆ウォン越えを達成したSK Hynix

SK Hynixの2021年第2四半期の売上高は前年同期比22%増の10兆3217億ウォンで、2018年第3四半期以来となる10兆ウォン越えを達成したという。

2021年初頭から続くメモリ市場の回復の影響を受けた格好で、営業利益も同38%増、前四半期比103%増の2兆6946億ウォンと好調。営業利益率もSamsungには及ばなかったが26%と高い値を達成している。

下半期のメモリ市場については、Samsung同様、良い流れが継続するものと見ており、中でもNANDについては、企業向けSSDの需要がさらに増えるものと予想している。そのため、NAND事業は収益性を高めるための製品戦略をとっていくとするほか、DRAMについては技術競争力の維持を図っていくとており、64GB以上のサーバDRAMの比率を増やしていくとするほか、EUVを活用した10-nmプロセス第4世代(1a-nm)DRAMとしてDDR5品の量産を開始する計画であるともしている。