ベネッセコーポレーションは7月29日、「行政・自治体のDX推進の現状・課題」に関するアンケート調査の結果を公表した。同調査は2021年3月から6月にかけて、全国の31自治体の職員1378名を対象に実施したものである。
同社では2021年5月から、オンライン学習サービス「Udemy(ユーデミー)」を使った全国34自治体との「DX人材育成に関する実証研究」をスタートしている。今回の調査はこの実証研究を開始する前に、実証に参加する予定の自治体を対象に実施したとのことだ。
新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、各自治体においても行政手続きのオンライン化やワクチン接種の予約システムの改善など、デジタル化に対する需要が高まっている。9月にはデジタル庁の発足も予定されており、国を挙げてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する体制が整う中で、各自治体でもDXに関わる人材の育成に関する取り組みが始まっているという。
こうした背景を受けて同社は、行政および自治体のDX推進の現状と課題を洗い出すことを目的に、同調査を実施した。
調査の結果から、ITプロジェクトに従事するなどDXを推進する立場にある職員のうち約9割が、「部門や職員によってIT知識に差がある」ことを課題に感じていると明らかになった。また、約6割の職員は、取引先からIT関連の提案を受けても適切な判断が困難であると回答している。
また、DXを推進するにあたって職員のITに関する知識不足も課題であることも明らかになった。約7割の職員が「現在、活用可能なIT技術が分からない」と回答しており、「何をどうやるべきか」「どのように学ぶか」について悩む職員も多い。さらに、ITに関する知識がないために、ITそのものに抵抗を持つ人が約半数を占めている。
これらの調査結果から、同社は、各自治体の課題に合わせて組織横断的な学習の機会を提供することで、行政および自治体のDX推進を支援していく。