電通デジタルは7月27日、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進における人材の育成とインハウス化の促進を目的とした「カスタマーサクセス組織構築支援サービス」を開始した。
新型コロナウイルス感染症の影響によって、さまざまな業種の企業でDXが推進されている。一方で同社が過去に実施した調査から、DXに着手した企業のうちで確実な成果を実感している企業は、約2割にとどまっていることが明らかになった。同社はDXの成果を実感できない要因として、人材のスキル向上や新しい業務の確立など組織づくりが障壁になっていると分析している。
また、デジタル化が進んでいる中で、企業は「顧客にモノを売る」から「顧客にモノやサービスを使い続けてもらう」マーケティング活動へとシフトする必要が出てきているという。そこでは、単なる購買データだけではなく、日々のサービス利用の状況など顧客インサイトを把握するためのデータ分析をもとにして、高価値のサービスを提供する次世代型の「カスタマーサクセス志向のデジタル活用」が重要であるとのことだ。
こうした背景を受けて同社は、「カスタマーサクセス組織構築支援サービス」の提供を開始する。同サービスは知識のインプットや資格取得に偏重しがちな、e-ラーニングなどによる人材の育成ではなく、実際にプロジェクトを伴走しながら、共創型で推進する中で人材の育成や組織構築を行う点が特徴だ。
具体的には、カスタマーサクセス戦略やミッション定義などの組織目的設計、顧客シナリオ設計や人材育成サポートなどのカスタマーサクセス実践スキル向上、アジャイルプロセスの標準化による業務プロセスの再設計の順で支援を提供する。
同サービスを利用することで、顧客に寄り添ったカスタマーサクセスの実践を行うためのデータ分析やシナリオ構築、マーケティングオートメーションの実装など、同社が持つノウハウの習得につながる。さらに、課題に応じた組織の組成など、各企業に独自の業務プロセスの設計を行うことで、個々のスキルを底上げするとともに組織の自走を実現する。