ASMLは7月21日(オランダ時間)、2021年第2四半期(4~6月期)の売上高が前年同期比21%増の40億2000万ユーロ、純利益は同38%増の10億3800万ユーロとなったと発表した。新型コロナ発生前の2019年第2四半期比でも売上高は57%増と、新型コロナ特需による世界的な半導体不足を背景に業績を伸ばした格好となった。
売上高の内訳は、装置販売が29億ユーロ、設置後の保守サービスが11億ユーロとしている。また、同四半期中の受注額は約83億ユーロで、このうちEUV露光装置は49億ユーロとなっているほか、全体の受注残は175億ユーロとなっているという。
装置販売29億ユーロの45%がEUV、34%がArF液浸露光装置で、台数別としてはEUVが9台、ArF液浸が16台、ArFドライが7台、KrFが11台、i線が9台であった。用途別では72%がロジックデバイス、28%がメモリ。地域・国別では、韓国が39%、台湾が36%、中国が17%、米国が6%、日本ならびに欧州がそれぞれ1%となっている。
同社では、同四半期の売上高は事前ガイダンスの範囲内である40億ユーロだが、粗利益率はガイダンスを上回る50.9%であったことについて、主に顧客が生産能力を迅速に増やすことを目的に、ソフトウェアのアップグレードを推し進め、その利益が上乗せされたためだとしている。また、2021年通年の売上高を前年比で約35%増としているが、同社は2021年4月に、2021年通年の売上高を従来予測の同10%増から同30%増に上方修正しており、今回、さらにそれを引き上げた格好となる。
なお、同四半期において、従来のEUV露光装置「TWINSCAN NXE:3400C」と比べ、生産性が15%から20%向上するとともに、オーバーレイが約30%向上した「TWINSCAN NXE:3600D」の初号機が顧客に出荷されたという。また、ArF液浸露光装置「TWINSCAN NXT:2000i」についても、ある顧客で1日あたり6300枚以上のウェハ処理という記録を達成したという。さらに、アプリケーション事業としても、エッチング後のデバイスパターンを測定し、歩留向上のための装置「YieldStar 1385」の初号機を出荷したとしており、こちらは従来のYieldStar 1375よりも精度を向上するとともに生産性を50%向上したモデルだという。