インターネットイニシアティブ(IIJ)は7月26日、低消費電力および長距離通信を特徴とする無線通信技術「LoRaWAN」を利用したIoTソリューション「IIJ LoRaWANソリューション」において、熱中症のリスクを示す「暑さ指数(WBGT)」を計測するセンサーを提供開始した。WBGTセンサー10台を利用した場合の参考価格は、屋内用の初期費用が82万5000円から、屋外用の初期費用が126万5000円から。月額費用はいずれも2200円から。
今回提供開始するフジクラのWBGTセンサーと同社の通信およびクラウドサービスを組み合わせたソリューションの利用により、暑さ指数を可視化し熱中症リスクを通知するIoTシステムを、約2週間で構築可能という。広域でのIoTデータ収集に適するというLoRaWANを使うことで、工場や建設現場など広い場所でも低コストで熱中症対策を実現するとしている。
WBGTセンサーは輻射熱を測定する黒球温度センサーを搭載し、正確なWBGT測定(JIS B 7922 クラス2準拠)を実現している。また、色素増感太陽電池を搭載しており、一定の照度で自立電源駆動が可能であり、データ伝送はLoRaWAN無線通信で行うため、電源や通信の配線工事が不要で、屋内屋外問わず計測したい場所に設置できるという。
計測したデータはLoRaWANゲートウェイに収集し、ゲートウェイからIIJモバイルサービスの閉域ネットワーク経由でIIJのクラウドに保管する。ユーザー企業は、PCやスマートフォンから専用アプリで暑さ指数を遠隔監視できるとのこと。計測値が設定した閾値を超えて熱中症リスクが高まった場合は、管理者や現場担当者にシステムから自動でメール通知でき、熱中症予防に役立てられるとしている。
同ソリューションでは、センサーからネットワーク、データ保管のためのクラウドサービス、データを可視化するアプリケーションまで、ユーザー企業の用途に合わせたシステムをワンストップで提供する。