レッドハット7月21日、Kubernetesプラットフォーム「Red Hat OpenShift」のパートナーのコンテナ関連サービス提供を支援する「OpenShift Partner Empowerment Project」を発表した。
同社は、OpenShiftのパートナーエコシステムとして、既に「Red Hat OpenShift Managed Practice Program」と「Red Hat Kubernetes Operator Project」を提供しており、今回発表した「OpenShift Partner Empowerment Project」は第3弾となる。
「Red Hat OpenShift Managed Practice Program」は2019年12月に提供を開始、OpenShiftのマネージドサービスやOpenShift Dedicated におけるSREのノウハウを提供する。レッドハット 副社長執行役員 パートナー・アライアンス営業統括本部長 兼 事業戦略室長 金古毅氏は、「Red Hat OpenShift Managed Practice Programに参加しているパートナーは現状8社。今後、企業ではマルチクラウド環境が増えることが見込まれることから、OpenShiftのマネージドサービスの需要も高まる」と語った。
第2弾の「Red Hat Kubernetes Operator Project」はKubernetes Operator と Container image の技術支援を行うプログラムで、2020年12月に提供が始まった。金古氏によると、現在は14社が参加しているという。
今回提供が始まった第3弾となる「OpenShift Partner Empowerment Project」は、パートナーのインテグレーションビジネスにおけるOpenShiftの活用を支援するものとなる。
金古氏は、OpenShiftのパートナー向けプログラムの第3弾を提供する背景について、以下のように説明した。
「今や、コンテナはデジタルトランスフォーメーションを推進する上で必要なメインストリームの技術となっている。その一方で、コンテナをビジネスの課題解決に落とし込めていないという現状がある。しかし、われわれはビジネスでコンテナを活用するためのノウハウを蓄積してきし、ビジネスの課題から入ることができるツールも持っている。こうしたノウハウとツールを提供することで、日本のデジタルトランスフォーメーションに貢献していく」
「OpenShift Partner Empowerment Project」は、「OpenShift Enablement Challenge(教育支援)」「OpenShift Value Proposition Workshop(提案ノウハウ習得支援)」「Container Adoption Journey(コンサルティング・サービス)」という3つの要素から構成される。
「OpenShift Enablement Challenge」においては、運用担当者、管理者、開発者向けにコンテナとRed Hat OpenShift テクノロジーを理解する上で必要なトレーニングとラーニングパスの情報を提供し、2022年3月末までに2,000名のコンテナエンジニアの育成を目指す。
トレーニングの受講者には、コンテナ基礎知識を習得する勉強会やクラウド環境を使用したワークショップの提供、レッドハットの技術者に適宜質問ができる機会を提供する。
「OpenShift Value Proposition Workshop」では、企業が抱えるビジネス課題解決やプロジェクト推進にあたっての阻害要因を体系的に整理し、Red Hat OpenShiftを効果的に導入するためのロードマップ案の策定を可能にするワークショップを、パートナー企業が直接提供できるように支援する。
開発部門とインフラ運用部門の役割分担や連携方法といった体制やプロセス構築についてのノウハウも提供し、企業がOpenShiftの価値を理解し現状の課題解決に向けて確実にプロジェクトを推進できるようサポートする。
「Container Adoption Journey」では、「モダナイゼーション推進」「デリバリーアジリティ&クイックネス」に焦点を当てコンテナテクノロジーを活用したビジネス変革を支援するためのコンサルティングサービスを提供する。また、レッドハットのコーチ陣がプロジェクトメンバーに伴走して開発・構築を支援する。同サービスは、パートナーが独自メニューとして顧客企業に提供することも可能だ。
金古氏によると、OpenShiftパートナーエコシステムの今後の活動として、同プログラムに賛同しているパートナーのエグゼクティブを含め関係者と半年に1度会合を実施する予定だという。