情報処理推進機構(IPA: Information-technology Promotion Agency, Japan)は7月12日(米国時間)、「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2021年第2四半期(4月~6月)]:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」において、同機構が開設している情報セキュリティ安心相談窓口への2021年第2四半期(4月~6月)の相談状況に関する統計を公開した。

全体の相談件数は1827件で、これは前四半期から約12%の増加だという。2020年後半に比べると減少してはいるものの、依然として2000件に迫る高い水準にある。

  • 情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられた相談件数の推移 ー 資料:IPAより

    情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられた相談件数の推移  資料:IPA

相談が寄せられた主な手口としては、相談件数の多い順に以下が挙げられている。

  • 宅配便業者をかたる偽SMS(約43.2%増の345件)
  • ウイルス検出の偽警告(約5.7%減の232件)
  • 仮想通貨で金銭を要求する迷惑メール(約24.5%減の154件)
  • iPhoneに突然表示される不審なカレンダー通知(約38%増の109件)
  • 不正ログイン(10%増の55件)
  • ワンクリック請求(同数の30件)
  • Facebookのメッセンジャーに届く動画(約57.1%減の3件)

前四半期と比較すると、宅配業者を装った偽のSMSや、iPhoneのカレンダー通知機能を悪用してフィッシングサイトに誘導して個人情報などの入力を促す手口が増加している傾向が見て取れる。これらの手口についてはIPAやセキュリティ専門機関から再三にわたって注意喚起が行われている。しかし、一目で偽の通知と分からないようにするなど、手口そのものが巧妙化しているケースもある。

こうしたサイバー攻撃による被害を防ぐには、日頃から警戒を怠らず、「不審なSMSや通知は開かない」「知り合いからのメッセージだったとしても、Webサイトを開く前や個人情報を入力する前によく確認する」「不安がある場合は専門家や専門機関に相談する」などの行動を心掛けることが重要だ。