ルネサス エレクトロニクスは、同社100%子会社であるルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリングの山口工場(山口県宇部市、元のNEC山口)について、2022年6月末に閉鎖することを決定したと発表した(同社では、閉鎖ではなく、(他事業所への)集約という表現を使用)。
山口工場および滋賀工場については、2018年6月時点で「今後2から3年をめどに工場閉鎖および集約する」と発表していたが、滋賀工場はすでに2021年3月に閉鎖しており、残っていた山口工場の具体的な閉鎖・集約時期が今回決定されたこととなる。
山口工場では民生、産業機器向けに、150mm(6インチ)ウェハを用いてマイコンや家電向けシステムLSIなどの生産を担当してきた。閉鎖後は、これらの生産品目について、他工場へ移管して生産を継続するが、一部については生産中止とするとしている。
閉鎖後の山口工場の譲渡先は現段階では決まっていないという。かつて高知工場を閉鎖する際も、半導体メーカーの買い手が現れずにコットンを原材料とした衛生資材、衛生製品メーカーに売却している。
今回、山口工場が閉鎖されることとなり、その結果、ルネサスグループの前工程工場としては、中核となる那珂工場(茨城県)のほか、高崎工場(群馬県)、西条工場(愛媛県)、川尻工場(熊本県)の4工場へと集約されることとなる。那珂と高崎は元日立、西条は元三菱、川尻は元NECの工場で、那珂工場が最先端に位置づけられているが、その対応プロセスはもっとも微細なものでも40nmで、そのほとんどの装置がレガシー化したものとなっている。
なお、今回の工場閉鎖・集約に伴い、同社では社員の処遇について、雇用の継続を念頭に置き、労使間で協議を進めていくとしている。