キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は7月20日、米NVIDIAの「Jetson」を搭載する独Baumer Optronic製の産業用AI(人工知能)スマートカメラである「Baumer AXシリーズ」を販売開始した。
新製品は、AIを実装するためのシステム設計を簡素化できるというオールインワン製品。Linuxの採用によりプログラミング言語を自由に選択でき、インライン検査や生産モニタリング、ライフサイエンスなどの分野で、画像処理ライブラリやアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の利用が可能という。
画像転送は、カメラ内部のCMOSセンサからJetsonへ直接行うため安定的で、画像処理用のボードやチップなどを追加で用意する必要が無い。また、オプションのチューブシステムはIP 67保護等級対応であり、過酷な環境条件に耐えられるとしている。
同製品では、NVIDIA Jetson NanoまたはXavier NXモジュールを選択可能。3.2または5メガピクセルの解像度を持つCMOSセンサを搭載し、高画質と高感度、低ノイズで最大77フレーム/秒で、高速プロセスでも画像の取り込みが可能という。また、GenICam、M12イーサネット、RS232接続との互換性を持つ。
コンピューティングパワー全体を画像処理アルゴリズムで利用可能にするため、自動露出や自動ホワイトバランスなどはFPGAベースの機能として、それぞれのアプリケーションに自動提供する。加えて、4つの光分離電源出力と最大120W(最大48 V / 2.5 A)の出力性能により、外部コントローラー無しで外部照明を直接制御でき、コストの節約も可能としている。