中外製薬は7月19日、抗新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)モノクローナル抗体「ロナプリーブ点滴静注セット300」「同1332」(一般名:カシリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え))という2種類の抗体を1回点滴で適用する「抗体カクテル療法」について、軽度から中等度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、厚生労働省より医薬品医療機器等法第14条の3に基づく特例承認を取得したことを発表した。
海外第III相臨床試験において、重症化リスク因子を持つ外来患者の入院・死亡リスクを低下させるとともに、重症化の抑制と症状消失までの期間短縮が確認されたとしているほか、デルタ株をはじめとする複数の変異株に効果があることが非臨床試験で確認されているという。今回の特例承認の取得は、これらの海外のエビデンスならびに日本人における安全性と忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第I相臨床試験の成績を基にした成果によるものであると同社では説明している。
同抗体カクテル療法は、米リジェネロンが開発したもの。中外製薬は戦略的提携先であるロシュが2020年8月にリジェネロンと製造、開発、販売について共同で実施することを受け、2020年12月に日本における開発権および独占的販売権をロシュより取得。7月19日時点で、ロナプリーブの日本以外の国での薬事承認はされていないという。
なお、中外製薬によると、国内におけるロナプリーブの供給は、日本政府との合意に基づき、2021年分が確保されているとしているほか、速やかな供給に向け、引き続き日本政府とともに協働していくとしている。