リコーは7月15日、これまで海外市場向けに展開していた360度画像を活用したバーチャルツアー作成サービス「RICOH360 Tours」を国内市場でも提供開始すると発表した。同サービスは、不動産物件の内見や、施設紹介などの用途に対応した、360度画像でのバーチャルツアーを作成し公開できるもの。

  • 「RICOH360 Tours」利用の画面イメージ

「RICOH360 Tours」は、2020年7月に海外市場で提供を開始したクラウドサービスである。もともとは、2018年に北米で展開を開始した「RICOH Tours」をベースに開発された。同社が提供する360度カメラ「RICOH THETA」と、パソコンまたはスマートフォンを使用して、誰でも360度の画像で構成されるバーチャルツアーを制作して公開できる。

同サービスを国内市場で展開するにあたって、新たに、AIが360度パノラマ画像にCG家具を自動で配置する「AIステージングβ版」が追加された。AIステージングβ版では、同社独自のAIによる超解像、明るさ補正、動画生成、画像切り出しなどの機能が利用できる。

ProプランとBusinessプランの2つのプランがあり、どちらも公開上限数、月間PV上限数、データ保存量は無制限。追加ユーザー数に応じた課金体系となっている。また、AIステージングβ版が10枚の画像まで対応した14日間のFreeプランも用意されている。

Proプランは月額4400円で提供され、AIステージングβ版が1カ月あたり20枚まで取り込み可能。Businessプランは月額6600円で、AIステージングβ版が1カ月あたり100枚まで取り込み可能。なお、これらは年払いの金額であり、月額払いの場合は価格が異なる。

同社は2014年から、国内でバーチャルツアー作成サービス「THETA 360.biz」を提供している。同サービスは大規模ポータルサイトとのAPI連携や、請求書払い対応など、日本市場に特化したサービスを開発し展開してきた。今回の「RICOH360 Tours」の提供開始によって、公開上限数を気にする必要がなくなり、比較的小規模の職場での利用にも対応できるようになったという。