NTTドコモ(ドコモ)は7月15日、常設の5G技術検証施設である「ドコモ5GオープンラボYotsuya」において、次世代MEC試験環境「Beyond-MEC」の提供を開始した。同環境は、ドコモの5Gオープンパートナープログラムに加入している企業、団体が利用できる。
Beyond-MECは、スタンドアローン方式の5Gでの利用を想定したネットワーク特化型クラウド。通信ネットワーク上のユーザーに近い位置にサーバーなどを配備するMEC(Multi-access Edge Computing)の特徴を備え、クラウド上でのネットワークスループットは80Gbps、伝送遅延は10ミリ秒の性能となる。
高精細な4K映像の伝送やXRを活用したバーチャル空間でのコミュニケーションなど、5Gを活用したソリューションを創出するためには、通信ネットワークだけでなくデータ処理を行うクラウドの性能の向上が求められるという。Beyond-MECを用いれば、通信ネットワークからクラウドまで一貫した検証を行える。
今回の提供開始に先立ち、ドコモはソニーグループと2020年12月から2021年5月まで、Beyond-MECを用いた共同検証を実施。5GとMECを組み合わせた実証実験では、MECに映像配信サーバーを配置し、商用の5G端末に低遅延映像を配信することに成功した。