東証の適時開示情報を基に経営権の異動を伴うM&A案件(グループ内再編を除く)について、ストライク(M&A Online)が集計したところ、IT・ソフトウエア業界の2021年6月のM&A発表件数は13 件で、6月としては2012年以降の10年間では、2020年の14件に次ぐ2番目となった。
取引金額は約5億円で、こちらは6月としては2012年以降の10年間では2018年の約8億円に次ぐ8番目となった。4億円台と5000万円台の各1件以外は全て金額非公表だったため、低い順位となった。
取引金額のトップはChatworkの4億5940万円
取引金額のトップはChatworkが、スターティアホールディングス傘下のスターティアレイズ(東京都新宿区)が手がけるクラウドストレージ事業を取得することを決めた案件で、取引金額は4億5940万円。
対象事業を会社分割して新設する「Chatworkストレージテクノロジーズ」(東京都新宿区)の株式51%を取得し、ビジネス版スーパーアプリの実現に向けたサービス拡張を目指す。
スターティアレイズは法人向けクラウド型オンラインストレージ「セキュアSAMBA」を主力サービスとする。セキュアSAMBAは2007年にサービスを始め、今年4月時点で3250社以上に導入されている。
金額の2番目はイードが、EC(電子商取引)ショップの管理システム「TEMPOSTAR」を提供するNHN SAVAWAY(東京都港区)の全株式を取得し、子会社化することを決めた案件で、取引金額は5700万円。
イードは主力のメディア事業と並ぶ事業の柱としてEC関連事業を育成する方針を打ち出しており、その一環。
このほかに、フリーが記帳アプリ「Taxnote」を手がけるノンモ(大阪府富田林市)を子会社化する案件など金額非公表が11件あった。